少し荷物がコンパクトになったことが最大の変化だとしても

2018.09.26

私が社会人として仕事を始めた時はまだ、パソコンは普及してなくウィンドウズもまだ、発売されていなかった。
山のような伝票は全て電卓で処理していた。
当時の表計算は全て集計用紙なる専用用紙がありそれで表組みして集計をしていた。
こんなことを書くと改めて自分ごと歳を取ったことを感じる。

 

携帯電話もなかった。
もちろんスマホも。
音楽を聴くのはレコード。
テレビのチャンネルは回っていた。
ビデオレコーダーはβ。
カセットテープとウォークマン。
車の調査はヒザに地図を広げて。
ちょっとしたお知らせはハガキ。
メールなんてものはない。

 

そんな時代でも仕事は忙しく経済は活気付いていた。
深夜のタクシーは長蛇の列。
新幹線はなんだかすし詰め。
アルバイトの時給はうなぎのぼり。
若者は競って車を買い替え。
うみ出されるヒマをもてあそぶ。

 

さて、今となっては貴重な経験になった。
あれから数十年。 いろいろなデバイスは画期的に進化しあの頃想像したサービスはほとんど具現化されているのではないかと思うほどである。
昔、Palmやクリエを使っていた時に「ネットに繋がったら便利だよな」と感じていたがアップルがiPhoneでそれを叶えてくれた。
パソコンで情報共有とデータベースの管理。
全てが想像通りに進化したがその恩恵を受けるはずの経済は少しなりを沈めている。

 

本末転倒

 

今日も羽田でフライト待ち。
スーツを着たビジネスマンはフライトの合間にパソコンで早朝から仕事を進めている。
ビジネスデバイスは進化し全ての効率が上がり生産性が向上したにもかかわらずみんな忙しい。

 

生産性は下がったということなのか?
それとも領域が広がったのか?
スキルが下がったのか?

 

バットとグローブ、ドライバーにアイアン。
道具は進化するがスコアは昔と変わらない。
それでも時代は変わる。
その時の最先端は未来から見れば骨董品。
だから今はいまで精一杯生きながらその時の最善を尽くすしかない。

 

たとえ出張の時、昔より少し荷物がコンパクトになったことが最大の変化だとしても。

 

まもなく搭乗です。